前回はemailを書き始めるに際しての基本的な点を書きましたが、その他ポイントをいくつか追加して説明しましょう。
1.大文字のみの文章にしない
英語では特に強調したい場合、その部分を大文字(capitals)のみで書きます。正式な法律契約書等で見られる表現方法ですが、e-mailでこの方法を用いると米国人にはあたかも怒っているように感じられるようです。
IF YOU WRITE IN CAPITALS, IT SEEMS AS IF YOU WERE ANGRY.
(大文字で書くと、あたかもあなたが怒っているように見えます。
この機会に、文法的観点から少しこの例文の説明をしましょう。
「大文字で書く」は、[write in a capital]です。ここでは複数の大文字書いているので、[capitals]と複数形になります。因みに小文字は [small letters]です。
[AS IF YOU WERE ANGRY]は過去形となっていますが、これは仮定法過去の語法で、「あたかも怒っているように」と訳します。このように、現在の事実と違う事を言う時は、過去形を使います。
それでは過去の事実と違うことを言う場合はどうなるでしょうか。この場合は、さらに時制を過去にずらし、過去完了[ had +過去分詞]の語法を使います。[ AS YOU HAD BEEN ANGRY] と書くと「あたかも怒っていたかのように」の意味になります。
2.性差別的な表現を避ける
米国でも性別を問わず一般的に人を指す表現として、次の文のように男性名詞[He/His]が使われていました。例えば次のような文です。
Your child should always be comforted when he cries.
(子供が泣く時は いつもあやすべきだ)
この場合は、男の子と女の子、双方を示す [Child]を、男をさす[his]だけで受けている事が性差別にあたります。
現在ではこのような文を書くと常識が疑われかねません。これを避けるために次の3方法があります。
He or She と両性の代名詞を書く Ask Bob whether he or she can inform me of the price.
(彼あるいは彼女が値段を私に知らせることができるかどうかBobに聞いてください)
集合名詞 Theyを使う。
Ask Bob whether they can inform me of the price.
(彼らが値段を私に知らせることができるかどうかBobに聞いてください)
名詞を自分で考え出す。
例えば、he or sheが営業担当である場合は、sales person(営業担当者)という名詞に言い換えると、性別を気にかけなくてすみます。
Ask Bob whether the sales person can inform me of the price.
(営業担当者が値段を私に知らせることができるかどうかBobに聞いてください)
3.結びの言葉(Closing Remarks)
いろいろな結びがありますが、どんな場面でも使える文章としては次のようなものがあります。
最後に挨拶と名前・役職記入です。
挨拶は次のとおりです。いずれも[敬具]といった意味合いです。
名前と役職は次のような順番で書きます。
Shigeyuki Kubo (親しい相手では、愛称で書きます。私の場合は Yuki です)
Vice President (副社長です。部長はManagerといった感覚です)
Sensor Business (担当部署を書きます。)
ABC Inc. (会社名です。)
250 East Main Street (住所です。番地を先に書きます)
Stratford, CT 06519 (市町村名、州名、郵便番号(Zip Code)の順に書きます)
Tel (電話番号)
Fax (ファクシミリ番号)
次回は、ある読者の方のご要望にお応えして、お客様への請求文の書き方をご説明したいと思います。